国際協力機構(JICA)が主催する水道技術研修(※)の一環として、仙台市水道局の施設で浄水処理実習を実施しました。この研修は今回で20回目の開催となり、研修参加国の浄水技術の向上に寄与することを通じて国際的な水道事業の発展の一助を担うとともに、指導職員の技術力向上を目指しています。
(※)JICA課題別研修「上水道施設技術総合(B)コース」
開発途上国の水道における課題解決能力の向上を目的とした研修で、独立行政法人国際協力機構(JICA)が毎年開催しており、札幌市水道局と公益社団法人北海道国際交流・協力総合センター(HIECC)が実施主体となっています。仙台市水道局では、平成20年から同研修コースの一部(浄水処理部門)を分担しており、海外研修生を受け入れて当局施設にて研修を行っています。
内容
- 日 時 令和元年7月22日(月)〜26日(金)
- 参加者 7ヵ国から9名
- 内 容
- 水源保全の取り組み(釜房ダム見学、水源開発と藻類由来の諸問題に関する講義など)
- 浄水場総合運転(取水塔・活性炭注入設備見学、茂庭浄水場見学、ろ過池洗浄の仕組み、小規模浄水場運転の仕組みなど)
- 浄水処理実習(濁度・pH・アルカリ度等の測定、凝集試験、薬品注入量の積算など)
- 仙台市の取り組み(ブロック配水システム、水道局の災害対策、震災遺構(荒浜小学校)見学など)
水道施設見学
茂庭浄水場、青下ダムなどを見学し、水道施設の仕組みを学びました。
浄水処理実習
薬品の注入量を積算するためには、正確な水質測定が欠かせません。濁度・pH・アルカリ度の測定、凝集試験(ジャーテスト)の手法を学びました。また、浄水実験プラントを用い、凝集不良状態から、適切な薬品注入率に調整する一連の流れを学びました。
小規模浄水場の運転実習
浄水場の立ち上げ(運転開始)やろ過池洗浄、停電など緊急時の対応を学びました。
水源保全について
釜房ダムの見学を行い、曝気循環装置や土砂の測定など、水源保全の仕組みを学びました。
また、東北工業大学今野学長を講師としてお招きし、水源開発と藻類由来の諸問題に関する講義を行いました。講義終了後も、研修員が抱える個別の課題について、今野学長から丁寧なアドバイスをいただきました。
研修員との懇談
それぞれの国の生活や仕事の様子、日本の印象、研修の振り返りなど、さまざまな意見交換を行いました。
お問い合わせ先総務課研修係
電話番号:022-304-0064
ファクス:022-249-2006