国際協力機構(JICA)が主催する水道技術研修*の一環として、仙台市水道局の施設で浄水処理実習を実施しました。
仙台市水道局では、研修参加国の浄水技術の向上を通じて、国際的な水道事業の発展に寄与するとともに、指導職員の技術力向上を目指しています。
(※)JICA課題別研修「上水道施設技術総合(B)コース」
開発途上国の水道における課題解決能力の向上を目的とした研修で、独立行政法人国際協力機構(JICA)が毎年開催しており、札幌市水道局と公益社団法人北海道国際交流・協力総合センター(HIECC)が実施主体となっています。仙台市水道局では、平成18年から同研修コースの一部(浄水処理部門)を分担し、研修を行っています。
内容
日時
令和6年7月8日(月)〜12日(金)
受講者
7か国より7名(フィジー、インド、カザフスタン、マラウィ、ネパール、スーダン、タジキスタン)
内容
- 水源保全の取り組み(釜房ダム見学、水源開発と藻類由来の諸問題に関する講義など)
- 浄水場総合運転(取水塔・活性炭注入設備見学、茂庭浄水場見学、ろ過池洗浄の仕組み、小規模浄水場運転の仕組みなど)
- 浄水処理実習(濁度・pH・アルカリ度等の測定、凝集試験、薬品注入量の積算など)
- 仙台市の取り組み(ブロック配水システム、水道局の災害対策、震災遺構荒浜小学校見学など)
到着時の様子
開講式
水道施設見学
茂庭浄水場、釜房ダム取水塔などを見学し、水道施設の仕組みを学びました。
茂庭浄水場見学
取水塔構造の説明
浄水処理実習
薬品の注入量を積算するためには、正確な水質測定が欠かせません。濁度・pH・アルカリ度の測定、凝集試験(ジャーテスト)の手法を学びました。また、浄水実験プラントを用い、凝集不良状態から、適切な薬品注入率に調整する一連の流れを学びました。
水質測定
凝集試験における薬品攪拌
薬品注入率の計算
浄水実験プラント施設の説明
熊ヶ根浄水場(小規模浄水場)の運転実習
浄水場の立ち上げ(運転開始)やろ過池洗浄、停電など緊急時の対応を学びました。
熊ヶ根浄水場見学
薬品手動注入
水源保全について
釜房ダムの見学を行い、曝気循環装置や土砂の測定など、水源保全の仕組みを学びました。
また、東北工業大学今野名誉教授を講師としてお招きし、水源開発と藻類由来の諸問題に関する講義を行いました。研修員からの熱心な質問にも、丁寧なご回答をいただきました。
釜房ダム見学
東北工業大学今野名誉教授による講義
研修員との懇談
それぞれの国の生活や仕事の様子などを気軽に懇談する時間を設け、震災遺構荒浜小学校も訪問しました。
コーヒーブレイク
震災遺構荒浜小学校見学
総務課研修係
電話番号:022-304-0064
ファクス:022-249-2006